司法書士の歴史は、明治5年8月3日(1872年)に定められた太政官無号達「司法職務定制」から始まると言われています。この、日本で最初に司法制度を定めたと言われる法典において、司法制度を支える基本的な職能として、「証書人」「代書人」「代言人」という三つの職能が定められました。また、代書人・代言人については、訴訟手続に関わる職能として定義されました。この三つの職能は、それぞれ現在の「公証人」「司法書士」「弁護士」に該当します。その後、大正8年には「司法代書人法」が制定され司法代書人と一般代書人が分離され、昭和10年にはこれが「司法書士法」に改められ、現在の「司法書士」という名称につながっています。日本の司法制度の成立以来、司法書士は弁護士とは異なる職能として司法制度を支え、いつも国民の皆様のすぐそばにいる身近な存在として、国民の権利を擁護してきました。
司法制度が定められた当初から、司法書士は、裁判所や検察庁に提出するあらゆる書類の作成を手がけていますが、現在では、特に法務大臣の認定を受けた司法書士は簡易裁判所における訴額140万円以下の訴訟、民事調停、仲裁事件、裁判外和解等の代理及びこれらに関する相談という業務が可能となり、これらを通じて国民の権利の保護と実現に携わっています。
また、司法書士は、特に登記の専門家としても認知され、日本の登記制度の充実発展に寄与すると共に、登記に関連する権利の保全にも尽力しています。例えば、不動産登記の分野では、登記申請人の本人性や、取引対象である不動産の登記の現況や権利関係、権利の得喪変更という取引実体等の確認という司法書士の職責が、取引実体とは異なる登記がなされないようにする、いわゆる登記の真正担保という重要な機能を実現しています。また、商業登記に関連しては、司法書士は会社法の専門家として、企業法務の実務的な相談にも応じ、企業活動における紛争を未然に防ぐと共に、企業のコンプライアンスを支えています。
さらに、近時は成年後見制度においても、司法書士は重要な役割を担うようになっています。家庭裁判所が被後見人の親族以外の者を後見人に選任する「第三者後見」では、現在では司法書士が後見人として最も多く選任されており、高齢者や障がいのある方々の権利を守っています。
広島司法書士会では、このような国民の権利擁護という司法書士の職務をより充実させるために、広島・福山・三次に「司法書士総合相談センター」を設置すると共に、各地における行政相談等への相談員派遣、多重債務や消費者問題などの各種法律相談会の実施等、国民の皆様の法的問題に関する相談窓口となる活動をしています。また、成年後見人となる司法書士を養成し、各地域の社会福祉協議会や包括支援センター等の外部組織と連携しながら、成年後見制度に関する講演や相談会の実施等、成年後見制度の広報と普及に努めています。さらに、予防司法と言われる分野においては、一般市民を対象とした「市民法律教室」や、小学生の親子を対象とした「親子法律教室」の開催、また県内各地の高校において消費者問題等についての講師を担当する「高校講師派遣活動」等を継続的に行っています。
司法書士はこれからも、司法制度の担い手として、また国民の皆様の権利の守り手として、あるいは「いつでも身近な相談相手」として、いつも皆様のそばにいます。
ぜひ、お気軽にご相談下さい。
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